メディアの隙間から

10数年にわたるPRマン時代の感性をベースに、メディアに日々接する中で感じた??を徒然なるままにつぶやく。2020年末に本当に久しぶりに再開

2006-01-01から1年間の記事一覧

またも振られた「建前という正義の旗」

21日に政府税制調査会の本間正明会長が辞任した。官僚体制から官邸主導型の政治を目指す安倍内閣の目玉ともいえる本間氏は、着任早々から官舎に愛人と同居し、これがけしからんというのが簡単に言えば辞任の引き金だ。釈明の記者会見など何かと悶着があって…

広がる図書館の荒廃

公共の財産であるはずの図書館の蔵書を傷める行為が、後を絶たないという。12日付けの読売新聞夕刊によると、特に多いのは「切り抜き」と「線引き」である。一般図書では、さすがに切り取りや破り取りは少ないのだが、線引きはなくならないようだ。何と300ペ…

目標があれば生きて行ける

日本、米国、韓国、台湾の代表チームが参加した、第1回世界身体障害者野球大会が今月4〜5日の2日間、神戸市のスカイマークスタジアムで開かれた。筆者は、6日(月)放送のTV朝日「報道ステーション」のスポーツ特集で知った。大会では、参加4カ国が総…

いじめが自殺につながる日本の土壌

いじめからの自殺、卒業履修単位不足、学校によるいじめ隠し、さらには教師自身によるいじめへの加担など、今日本の教育現場が大混乱といってもいいほどの惨状を呈している。その中で、浮き彫りにされているのが、何故いじめが自殺の原因になってしまうのか…

いじめを巡る真実の光と影

このところ小学校や中学校で、いじめを原因とする子供達の自殺が相次いでいる。何故それほどまでに些細なことで自殺なんかするのだろうと、痛ましさとともになんともいえずやりきれない気持ちに襲われる。もう少し考えるなり誰かに相談するなりして踏みとど…

取材源秘匿を巡る司法判断について

米国の健康食品会社が米政府に損害賠償を求めた訴訟の嘱託尋問に際し、読売新聞の記者が取材源を秘匿した、としてその可否を問う裁判の判決が17日、最高裁で下された。食品会社側の特別抗告を棄却する、との判決で、これにより記者の証言拒否を認めた先の東…

<データ・円谷選手の遺書>

オリンピック東京大会のマラソンの銅メダリスト、円谷幸吉選手はメキシコ大会を前にした1968年1月9日、27歳の若さで勤務先の東京・練馬の自衛隊体育学校宿舎でカミソリ自殺した。素朴な言葉で親族への感謝の気持ちを書き連ねた遺書は、飾り気がないだ…

スポーツ清新

今年の夏の甲子園の決勝戦で、久しぶりに高校野球の醍醐味を満喫した。涼しい表情で力投する早実の斉藤投手はスマートで礼儀正しく、若者らしい色香に惹かれるものがあった。対照的に駒大苫小牧の田中投手は闘志あふれる豪腕を振るったが、プレーの合間に見…

『Nipponチャチャチャ』

[執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを…

 シュレッダー事故の語られない裏側

先のパロマ製湯沸し器の死亡事故に続く、家庭用シュレッダーで幼子が指を切断するという事故では、「またもやメーカーの責任か?」といった論調の報道ばかりが目に付く。しかし、湯沸かし器事故と今回のシュレッダー事故は同じ土俵で論じてもいいものだろう…

<データ・夏休みと宿題>

学制施行2年前の1870(明治3)年、東大の前身、大学南校が7月21日から1カ月間を休みにしたのが夏休みの始まり。「維新前は盆休みだってせいぜい5、6日だったのに」という批判も出たというが、学制がしかれると、義務教育にも取り入れられた。期間…

宿題の宿痾と宿業

古稀を迎えた従姉と久しぶりに会ったら、「夏が来ると、あなたに宿題をやらされたことを思い出す」と冗談半分で古傷を持ち出した。確かに小学生の頃は夏休みとなれば叔父の家に遊びに行き、従姉たちに宿題を手伝って、というより肩代わりしてもらった。工作…

データコラム「Nipponチャチャチャ」

[執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを…

ジダン頭突き事件に見る建前という嘘

1ヶ月に及んだワールドカップの最後を飾るゲームで注目を浴びたのは、イタリアの勝利以上にジダンの頭突き&退場事件であった、。しかも彼がMVPを獲得したことで、なおさら事態は注目の度合いを強めている。被害者となったマテラッツィを擁するイタリアでは…

 知らぬは地獄

江戸川の水で産湯を浸かったフーテンの寅さんではないが、多摩川で泳ぎを覚えた、と言うと、いかにも江戸っ子らしく響くだろうか。それとも年寄りだと思われるだけか。 小学生の頃、多摩川へは自転車で小一時間もあれば行けたのでよく出かけた。さすがに丸子…

ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを踏まえて ちょっと薀蓄も含めてお…

データコラム「Nipponチャチャチャ」

シンドラー社の記者会見に関する広報的見地からの考察

6月3日に発生した都営団地でのシンドラー社(Schindler Elevator)製エレベータの事故については、事故直後からの同社日本支社の対応が、設置場所についてのリストを「個人情報保護」を理由に拒否するなど問題視されていた。事故後何度か開かれた記者会見や…

<データ・子供の遊びの戦後史>

1952(昭和27) ▽「風船ガム」流行。電動おもちゃのセダン型自動車や上飛び飛行機が登場。 1954(昭和29) ▽貸本店急増。貸本漫画ブームの引き金に。 1955(昭和30)7月 ▽開場した東京の後楽園ゆうえんちにジェットコースターが登場。 1956(昭和31) ▽ホッ…

禁じられない遊び

オーストラリアから伝わった「フラフープ」が爆発的に流行したのは、小学三年の秋だった。プラスチック製チューブを丸めて輪にしたシンプルな玩具で、名前の由来通りフラダンスのように腰を前後左右に振って、落ちないようにしながら体の周りを回して遊ぶ。…

『Nipponチャチャチャ』

[執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを踏…

痴漢は犯罪行為です

痴漢は犯罪です、とのポスターが鉄道など公共の交通機関の周辺で目に付く。もちろん痴漢行為は単に迷惑などではなく立派な犯罪なのだが、方やでは見に覚えのない冤罪も増えているという。日刊ゲンダイがサラリーマン向けに突発事故への対処法を「サラリーマ…

教育基本法改正を巡る与野党の言葉遊び

26日の読売新聞の社説に、「教育基本法改正」を巡る政府案と民主党案とを対比した論評が掲載された。この問題については政府自民党に公明党を加え、それに民主党の改正案が錯綜して右だ左だとの論争が喧しい。争点は「愛国心」らしいのだが、それぞれの主張…

日刊ゲンダイのあまりに大胆な予測記事

秋田県能代市で小1の男子が絞殺された事件を巡って、20日付(19日発行)の日刊ゲンダイが秋田県警大失態か?と報じている。駅売店の売り込み広告では、先の女児水死事故が事件であったのに見逃したかのような断定表現で、思わずびっくりした。確かに先の女児…

場当たり主義の弱腰外務省

3月末の読売新聞が「在上海日本総領事館の電信官の自殺事件」を巡って、遺書を公開したが、その続報である。中国諜報機関からの圧力が自殺の原因となったにもかかわらず、相変わらず中国当局は無関係を表明している。ところがこの厚顔な中国側の発言の論拠…

無視できない隣国の環境汚染

環境汚染は、基本的には国内問題であり他国がとやかく言えない面がある。しかしその範囲が極めて広範で、ましてや該当する国自体に対策を講じようとする意識が希薄、あるいは手段を持ち得ない場合は、立派な国際問題だ。アジアの大国、中国は方やでは地球規…

無策に過ぎた竹島問題

竹島の領有権を巡る日韓の緊張は、ここしばらくは解けることはなさそうな気配だ。韓国政府が、4日付で竹島の管理のために今後5年間で41億円を新たに投入すると発表したのだ。すでに竹島には韓国の灯台や宿泊施設、警備のための常駐人員が配置されている。そ…

<データ・小中学校数と児童・生徒数>

小学校は明治初期にすでに全国で2万8000校を数えていたほどで、今日まで人口の変動ほどには変化していない。明治政府は学制施行後、津々浦々に懸命に尋常小学校を建設して義務教育の徹底を図り、近代国家の礎を築いたということなのだろう。 戦後はベビ…

はじまりは給食

冷たい雨が降る、うっとうしい日だった。古びた木造校舎の教室には生温くすえた空気がよどみ、水蒸気がびっしりと窓ガラスを覆っていた。先に登校した何人かが、片隅を指差してキャーキャー騒いでいるので、何事かと覗いてみると、床板の上で太くて大きなと…

『Nipponチャチャチャ』

[執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを踏…