メディアの隙間から

10数年にわたるPRマン時代の感性をベースに、メディアに日々接する中で感じた??を徒然なるままにつぶやく。2020年末に本当に久しぶりに再開

日刊ゲンダイのあまりに大胆な予測記事

 秋田県能代市で小1の男子が絞殺された事件を巡って、20日付(19日発行)の日刊ゲンダイ秋田県警大失態か?と報じている。駅売店の売り込み広告では、先の女児水死事故が事件であったのに見逃したかのような断定表現で、思わずびっくりした。確かに先の女児の家とは1軒置いた隣近所ということで、地元ではセンセーショナルな事件だったが、それにしてもなんとも刺激的な表現だ。広告だけ見たところでは、先の事故も殺人事件だったのかと思わず吊られて新聞を買ってしまった。落ち着いて記事を読んでみたら何のことはない。県警としても状況が状況だけに2つの出来事の関連性をまったく無視もできず、念のために女児の事故についても再度注意深く精査してみよう、との発表を行ったに過ぎない。現状では、先の女児の件が事件だった証拠は発見されてはいないのだ。記事によれば、先月近所の女児が水死体で発見されたばかり、発見場所が同じ川筋であったことを理由を挙げ、さらにご丁寧にも最近秋田県警では不祥事が相次いでいる、県警本部長がエリートの青二才タイプで指導力に不安がある、からとも述べて「この県警に今後の捜査を任せてもいいのか」と結んでいる。
 地元では、秋田県警の大失態との怒りの声が上がっている、と述べているが、果たしてこの件については実際に地元の人々の生の声をどの程度取材したのだろうか。2つの事故と事件を管轄する能代署に対して、先の女児の死因が事件だったら、その犯人が安心して結果として男の子を殺害した可能性もある、と指摘する。これに関しては、現場となった川は子供が遊びに行くような所ではないと子供たちの保護者たちは首をかしげている、と地元住民の声として取り上げている。しかしである。それほど重大な県警の見落としの可能性なら、なぜ先の事故(あるいは事件)が起こった時点で追求しなかったのか。今回の事件があったからこそ初めてキャンペーンを張ったのだろう。そうでなく、今回の事件がなくてもこの記事を書いたのであれば、ゲンダイの慧眼を認めざるを得ない。今のところは、事件の尻馬に乗っただけだろうと思えてならないのだが・・・