メディアの隙間から

10数年にわたるPRマン時代の感性をベースに、メディアに日々接する中で感じた??を徒然なるままにつぶやく。2020年末に本当に久しぶりに再開

2005-01-01から1年間の記事一覧

恨みのグラブ

本格的な野球のグラブを買ってもらったのは、小学五年生の時だった。来る日も来る日も暗くなるまで野球をして遊んでいたから、欲しくてたまらず、祖父にねだったのだった。幼児用グラブは持っていたが、その頃、ソフトボールに代えて軟式ボールを使い出して…

『Nipponチャチャチャ』

[執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、 「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを…

違う方向へ走り出してしまった東武鉄道の運転員解雇問題

少し前に東武鉄道の運転員が、たまたま電車に乗り合わせた我が子を運転席に入れたまま1駅だけ乗せたことを理由に会社から解雇処分を受けるという出来事があり、メディアはじめ巷の関心を呼んでいる。ところが眼や耳にする論議は、いずれも「処分は止むを得…

重たい一円玉

朝のラッシュが過ぎた地下鉄の床に、一円玉がひとつ転がっていた。ドアにほど近く、すぐ目に付くはずのに、誰一人拾おうとしない。見過ごせずに摘み上げた。 小学一、二年生だったか、一円札が消えて間もない頃、道端でピカピカの一円玉を拾ったことがある。…

『Nipponチャチャチャ』

[執筆:三木 賢治 (みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、 「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータ…

性犯罪者の再犯が防げない日本司法の現状

6日(日)のNHKスペシャルは「性犯罪・再犯をどう防ぐか」と題し、04年暮れに奈良県で起こった誘拐殺害事件を導入として、性犯罪の特質、被疑者の心理的特性などをあの事件の被告のコメントや他の犯罪経験者あるいは受刑者の出演も交えての構成であった。番…

医の世界に起こるさまざまな事件、出来事

メディアを日々眺めていると、医療を取り巻くさまざまな事件や出来事が実に多いことに気付かされる。だからといって医者や病院がいい加減で、医療ミスなど日常茶飯事だとは言わないが、やはりどんな些細な事柄でも、医療を巡る問題は人命にかかることだけに…

誤認逮捕の裏側にあるものは?

15日付けの讀賣新聞で静岡掛川署による誤認逮捕が報ぜられた。しかし、いみじくも見出しに「目撃証言うのみ」とあるように、記事自体もまた警察発表を鵜呑みにした報道であった。事象を広報の発表にしたがってただ表面的に活字にしたに過ぎない。おそらくこ…

竜田揚げの不思議

同世代が顔をあわせて小学校時代の話になると、どんなメンバーの時も決まって、誰かが「鯨の竜田揚げはうまかったな」と言い出す。すると、皆が「ウン、うまかった」「本当に」と応じて、しばらくは給食談義に花が咲く。竹輪の磯辺揚げも好きだった、との声…

『Nipponチャチャチャ』-「救食」の味わい

[執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを…

イラクにおける自衛隊の実績とは

27日付の讀賣新聞紙面で「イラク支援、継続か撤収か」と題する論評が掲載された。他のマスメディアでも、このところ陸上自衛隊の活動期間が12月に切れるのを前にして派遣継続か撤収かの論議が盛んだ。しかし、他の派遣軍に比べて自衛隊の場合は、任務終了に…

人間はなぜ危険に惹かれるのか?

アフガニスタンで二人の教諭が殺害された。現在のアフガニスタンは、外務省が危険度の最高ランクとして以前から警告を発している地域だ。そんな場所にジャーナリストでもない、ただの学校の先生がなぜ行ったのだろうか。どうもこうした場所へ行く日本人の常…

<自転車の生産台数> 参考:通産省「機械統計年報」

日本は自転車王国。保有台数は8500万台で、中国、米国に次いで世界第3位。保有率は1.5人に1台で世界第1位だ。自転車は1872(明治5)年に米国から渡来した。5年後には東京に貸自転車屋が登場するほどの人気を呼び、明治30年代半ばから大流…

空中自転車

5年ほど前になるが、ロシアのユジノサハリンスクを訪ねた時だ。裏道を歩いていて、奇妙な光景に出合った。4、5階建ての集合住宅の窓のあちこちから、自転車がぶら下がっている。ハンドルと荷台に紐を通して窓枠などにしばりつけているらしく、地面を走る…

『Nipponチャチャチャ』

[執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを…

先生の質向上が少年問題解決の原点

鳥取県知事が仕事をしない県職員に対して、退職勧告も含めた大胆な服務規程の運用を発表して物議をかもした。反対など騒いだのは主に職員組合など首を切られる側であり、一般的には好意的な受け止め方であったようだ。企業のリストラと違い、普通に仕事をし…

崩れ行く安全神話

日本は、世界でも有数の治安のいい国だとの評価がある。しかし、最近は少年犯罪や残酷な快楽殺人など、血なまぐさい犯罪が後を絶たない。犯罪検挙率もこの数年、低下の一途をたどっている。「安全」「治安の良さ」は日本が世界に誇れる文化だったが、このま…

<データ・落雷による死亡事故>

▼1967/08/01 北ア・西穂高岳で登山中の松本深志高校の生徒11人が死亡、10人負傷 ▼1973/08/03 栃木県日光市のゴルフ場でゴルファーとキャディーの2人が感電死。2人が重軽傷 ▼1974/08/02 大阪府茨木市のゴルフ場で会社社長と、アルバイトの高校生キャデ…

地震雷火事予備校

雷は、季語は夏だが、別に夏だけのものではない。冬の雷も珍しくはない。 駆け出し時代を過ごした日本海側の秋田県では、真冬の吹雪の夜の雷は昔からハタハタの大漁の合図と相場が決まっていた。魚へんに雷と書いてハタハタと読ませるのも、そのためだ。雷の…

『Nipponチャチャチャ』

[執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、 「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを…

オフサイドの新ルールが悩みの種に?

王者ブラジルが圧倒的にアルゼンチンを破っての優勝で幕を閉じたコンフェデレーションズカップ。惜しくも決勝トーナメントには進めなかったが、あのブラジルとあわやの内容の試合を見せたわが日本代表、メキシコとの2時間に及ぶ死闘の末、退場者を出しなが…

<データ・電話小史>

日本で市民が電話を使うようになって今年で115年が経つ。電話を自宅に引いていることがステータスシンボルだった時代が戦後まで続いたが、高度経済成長と共に加入電話数は増加した。今日ではステータスシンボルどころか、東京都内などでは敢えて電話帳へ…

電話急げ

カルチャー教室でマスコミ志望の大学生の作文の添削指導をしていた時、「手紙」という課題で演習したら、約20人の学生の過半数が「手紙は電話と違って自分の考えを整理して相手に伝えられる」と異口同音に書いてきたので愉快になった。やはり若者たちは、電…

『Nipponチャチャチャ』

データコラム「Nipponチャチャチャ」 [執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や…

アウサン・スーチー女子の還暦祝いに思う

19日は、ビルマの民主運動、近代化の牽引役であるアウンサン・スーチー女史の60回目の誕生日だった。世界中でアムネスティや各国に散ったビルマの人々により、彼女の還暦を祝うイベントが繰り広げられた。日本でも日曜日ということもあり、御茶ノ水のYMC…

何かがマヒしているTV報道の体質

19日(日)から再開される宝塚線の運行を前に、18日(土)にJR西日本が、遺族への説明会を開いたが、その席上でとんでもないハプニングがあった。何とTV局の報道カメラに代わって、遺族の女性の一人がビデオカメラマンを買って出たのだ。その女性は、カ…

6月のバラ

夕暮れ時、東京・渋谷のビルの入り口で知り合いと待ち合わせ、すぐ横手の生花店を見るともなしに見ていると、女性客に混じって若い男がバラの花束を買っていた。ガールフレンドへのプレゼントにするのだろうか、花束を手にすると、晴やかな顔つきで人込みの…

『Nipponチャチャチャ』

[執筆:三木 賢治(みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータを…

<データ・日本鉄道小史>

1872年 6月12日 品川・横浜間仮営業 10月15日 新橋・横浜間開業 1874年 5月11日 大阪・神戸間開業 1880年 7月15日 京都・大津間開業 1883年 7月28日 日本鉄道上野・熊谷間開業 1889年 7月 1日 新橋・神戸間全通 1893年 6月 1日 国際第1号蒸気機関車…

汽笛は呼び覚ます

引退したSLを引っ張り出し、かつての雄姿を再現させる“復活運転”は好きになれない。元鉄道少年としての愛着は人後に落ちないが、今さら未練がましいだけだ。人にも物にも生きるべき時代がある。高層のモダンな駅舎をバックに走らせたり、ましてや新幹線と…