朝のラッシュが過ぎた地下鉄の床に、一円玉がひとつ転がっていた。ドアにほど近く、すぐ目に付くはずのに、誰一人拾おうとしない。見過ごせずに摘み上げた。 小学一、二年生だったか、一円札が消えて間もない頃、道端でピカピカの一円玉を拾ったことがある。…
[執筆:三木 賢治 (みき けんじ)]ジャーナリスト。1949年生まれ。 73年、毎日新聞入社。社会部で事件取材の経験が長く、社会部デスク、編集委員、 「サンデー毎日」編集長などを経て、現在は論説委員。◎日本の文化や習慣をテーマに、いろいろなデータ…
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