メディアの隙間から

10数年にわたるPRマン時代の感性をベースに、メディアに日々接する中で感じた??を徒然なるままにつぶやく。2020年末に本当に久しぶりに再開

ネット上の危険から子供を守るには

 出会い系サイトに加えて、最近ではブログやモバゲーサイトなどをきっかけに子供が犯罪に巻き込まれる例が急増している。28日付の朝日新聞横浜版によれば、出会い系サイトをきっかけとする事件の検挙件数は02年の98件に対して、06年は248件と2.5倍になった。こうした報道では、常に子供が被害者との視点があるが、果たしてそれは現実をきちんと捉えているのだろうか。もちろん子供に対して、金で性を提供させようとするスケベな大人が罰せられなければならないことは当然である。虐待や強制的な暴行事件などでは、子供が純粋に被害者として保護されるべきだ。しかし、これらの事件のほとんどは、性を提供する側の女の子達にとっては、実は売春という犯罪の当事者であることをはっきりと知らせることも必要で、この点がやや曖昧になっているのではないだろうか。それを被害者として守るという意識だけでは、中高生による性の犯罪はなくならない。「援助交際」などの曖昧な表現に逃げている限りは、現状は打破できない。はっきりと売春という犯罪行為だと教えなければ。
 同じく朝日の紙面では、中高生の女の子が出会い系などネット上の犯罪に巻き込まれるケースに対応して、神奈川県警では11月からパンフレットなどを配布して注意を喚起すると報じている。出会い系サイトがきっかけで発生する犯罪には、児童買春・児童ポルノ法違反、県青少年保護育成条例違反、児童福祉法違反などがあるが、いずれも罰則の対象となるのは性を買った側の大人である。どうも売った側への戒めは表に出てこないような気がする。「ウリをやっている」などとという言葉で女の子達の間では当たり前のように認識されていて、当の本人達は犯罪の片棒を担いでいるとの認識がないのではないだろうか。世の中は需要と供給のバランスで成り立っている。その両方を規制しなければ犯罪はなくならない。朝日の記事でも、ネット上の危険サイトを監視するボランティアの紹介などもあったが、当の中高生達の声を拾ってはいなかった。今後はここをきちんとフォローする取材視点が、ネットから生まれる性の犯罪をなくすために必要だろう。