メディアの隙間から

10数年にわたるPRマン時代の感性をベースに、メディアに日々接する中で感じた??を徒然なるままにつぶやく。2020年末に本当に久しぶりに再開

悪徳○○と表現される職業

 TVドラマや映画で悪徳○○と枕詞つきで表現される職業には、本来は正義の味方であるはずの職業が多い。例えばサラリーマンや職人にはこの形容詞はつかないだろう。曰く、悪徳政治家であり、悪徳教師、悪徳弁護士、悪徳医師、悪徳坊主etc...普通の職業以上に人々の尊敬を集め、人柄が清廉でなければならない職業ばかりである。また、教師を除けば一般的には収入も人並み以上との共通点もありそうだ。なぜこんなことを考えたかというと、このところ弁護士を巡るお騒がせ記事が紙面を賑わしているからだ。同じ法曹界でも検事と裁判官には、この芳しくない枕詞を付して表現することはあまり聞かない。法律家とは法廷で真実を追究し、ある行いや事件を法に照らして正しいか誤っているかを判断し、そのために専門家としての知識を総動員して議論を戦わせる職業である。しかし、どうも弁護士とはこうしたくくりとはちょっと違う範疇に属するように思える。彼らの行動基準は、果たして純粋に法の元の正義なのだろうか。検事やましてや判事の行動規範は特定の個人や団体の利益に左右されるものではない。しかし、弁護士の行動は依頼主の利益を守ることが根拠となっている。特に民事では、守った利益がそのまま弁護報酬の根拠ともなるのである。
 顕著だったのは、宮崎地検に脅迫容疑で逮捕された山本至弁護士である。詐欺罪で起訴された被疑者の私選弁護人でありながら、彼に黙秘することを強要した。彼の証言によっては、所属先である暴力団に何がしかの累が及ぶという事情が背景にあるらしい。弁護すべき被疑者の利益ではなく、別途依頼された暴力団の利益を守るために働く弁護士。もちろん件の暴力団からは、相当な依頼料が支払われているはずである。まさに悪徳弁護士と言われても仕方ない。この山本弁護士、06年暮れにも裁判所に提出する証拠を偽造した疑いで逮捕・起訴されている。同じ依頼主である暴力団の組員が起こした盗品譲り受け事件に絡んで、真犯人は別にいると主張、別人に書かせた自白証拠となる書類を捏造し、証拠として裁判所に提出したというものだ。さらに驚くことに、この証拠偽造事件については、なんと320人もの大弁護団が結成され、冤罪を主張しているという。記事を読んで0(ゼロ)が一つ多いのではないかとびっくりしたのだが、まさに320人だ。よく大きな公害訴訟や国を相手取った全国訴訟では、こうした大弁護団を組織することはあるが、事件そのものは小さな案件だろう。それにこの人数とは。いったいこの大人数の中の何人が、訴状を読んだり、山本氏の活動背景、特に暴力団との関連についてつぶさに自分自身で検証しているのだろう。これはまったく筆者の推測ではあるが、弁護士会などから声が掛かってなんらの検証もせずに名を連ねただけの弁護士がほとんどではないだろうか。山口県光市の母子殺害事件における、21名と言う常識はずれの大規模弁護団を思い出す。彼らは死刑廃止論者として日頃から活動している弁護士達であるという。原告の本村洋さんは、あくまで福田孝行被告の犯した犯罪を法の下に正しく罰するために、法廷では真実の追究と法的な判断だけを行って欲しい、政治活動の場に利用して欲しくない、と語っている。ところが、この弁護団はそんなことはお構いなし。すでに報道でも知られるように、「手で押さえたら首に掛かってしまった。蘇生させるために性交した」など、とんでもない理由付けを展開しているのだ。そんな活動をするくらいだから、彼らも腹をくくって存在が明らかになり、もしかしたら悪徳弁護士とのそしりを受けることを覚悟しているだろうと思うのだが、弁護団代表者の名前は明らかにされているものの全員の名前は公表されていない。しかし、世の中には反骨精神と言うか面白い人もいるもので、その辺をしっかり調べて公開しているサイトがあった。ご参考までに。 http://www.myhomepage.vgocities.net/aoiryuyu/yamaguchishikan2.htm