メディアの隙間から

10数年にわたるPRマン時代の感性をベースに、メディアに日々接する中で感じた??を徒然なるままにつぶやく。2020年末に本当に久しぶりに再開

永田メール問題は分からないことだらけ

 民主党・永田議員の「ホリエモン偽メール事件」が曖昧なままいつもの灰色の決着となりそうだ。私はこの事件が国会に登場した初めからメールの信憑性に疑問符をつけていたのだが、その根拠は紙に印刷あるいはそのコピーでしか確認できなかった点にある。それなら誰でも偽造できるし、ましてやこの話、そして証拠となる紙に出力されたメールが永田議員に持ち込まれた時点で肝心の発信者や受信者のデータが塗りつぶされていたことが大きい。そんなレベルのものを誰だった本物と信じやしないだろう、と感じていた。だから、次の証拠として、きちんとメールの送受信データを含めたヘッダー情報なりが提示されることを期待したのだ。それなら私の偽者との判断は撤回しなければならない、とも思ったのだがいっかなその気配はなかった。初めにこの証拠物件を見せられたとき、永田議員は「オリジナルのデジタルデータを見せろ」とは言わなかったのだろうか。あるいは、メールは紙に出力したものが証拠になると思ったのだろうか。だとすればとんでもない世間知らずということになる。何もITの専門知識がなくても、ちょっと世間のことを知っていれば、電子メールにはヘッダーという情報部分がついていて、それを見ればメールが発信された日時、メールの配信経路、発信者のアドレス、受信者のアドレスなどの情報が表示されていることは知っているはず、なのだが・・。国会議員というのは一般人よりも知識があって、物事を論理的に分析し、本質的な真偽を見抜く目を持っていると判断するのが素朴な感覚だろう。
 とまれ、偽者との結論に至り、民主党は野田国会策委員長の辞任、自民党・武部氏への謝罪と会見をもって幕引きを図ろうとしている。結局、ホンモノかニセモノかの正確な決着は出ないまま収束する。さてそこでいくかの疑問である。

  • 事の初めで、永田氏が件のメールを目にしたとき、どんな状況だったのか。
  • ニセモノとするなら犯人は誰なのか。
  • この犯人には何らかの犯罪性はないのか。
  • あるならそれはどんな内容で、司法の捜査は展開するのか。
  • 単に紙に印刷したものだけでホンモノと信じたとは思えないので、ホンモノと断定した根拠は何だったのか。
  • 犯人については、一部週刊誌など(特に週刊新潮)では名指しで記述しているが、大手マスメディアでは何故触れないのか。
  • そもそも武部氏の次男とホリエモンとの間に金銭の授受はあったのか、なかったのか。この点については、実はまだ解明されていない。

 これらの疑問点を解明する責任は、少なくとも当事者である永田議員にはすべてとは言わないが、ある部分にはついては存在していると思うのだが・・・・