メディアの隙間から

10数年にわたるPRマン時代の感性をベースに、メディアに日々接する中で感じた??を徒然なるままにつぶやく。2020年末に本当に久しぶりに再開

恥ずかしい光景

  風邪でお休みしていた小泉総理を迎えて、NHK国会中継があった。舞台は、衆議院予算委員会における各党の集中質問。中継を見たのは途中からだったので事の経緯は不明だが、自民党宮路和明衆院議員が質問した際の他議員たちの反応がなんともみっともないものだった。確かにこうした野次怒号は珍しくもない。ただし例えば年金法案改正といった社会全体が注目するような重要案件の審議なら、本会議場でのバトルが展開されたことはあるし、それはそれなりに政府vs野党のバトルなど経緯が見えて納得できる部分もあるのだが、これはどうだ。

  宮路議員の質問内容は、山梨県日教組が行ったとされる前々回の参院選での不正事項に関するもの。どうも宮路さんという人は、喋りがうまくなくてつっかえながらちょっとたどたどしい感じのする質疑だったが、別に野次の声はそれが原因ではあるまい。中山文部科学大臣が答弁に立った時も止むことはなく、さすがにそのあと答弁を引き受けた麻生総務大臣は、「やかましい」としゃがれ声で規制しようとしていた。何度か委員長からも「静粛に!」との声も上がっていた。なんとも恥ずかしい、国の最高意思決定機関における国政行為とは思えない光景だ。質問者、回答者ともに自民党だったので、野次の主は民主党共産党あたりだろうが、いまだに質問や回答の内容ではなく、与党の出番だから野党が野次を、というワンパターンの光景。野党質問なら今度は与党から飛ぶのか? こうした救いがたい下品な光景はいい加減にやめてもらいたい。先進国の民主議会らしく、論議を熱く展開して、論理で戦うかっこよさを見せて欲しい。そうなればNHKの独占番組である国会中継がもっと魅力的なプログラムになって、制作現場の人たちも張り合いが出るというものだ。