メディアの隙間から

10数年にわたるPRマン時代の感性をベースに、メディアに日々接する中で感じた??を徒然なるままにつぶやく。2020年末に本当に久しぶりに再開

国民より大事なものが?

 今国をあげての関心事になっているBSE牛肉の問題にしてもそうだ。断固として全頭検査を主張し、こればかりは国民の食の安全に関することであり、いかにアメリカでも譲れないとして、頼もしい対応を示していた政府の対応が、たった一人の女性の来日でどうも揺れ始めているのが心配だ。そもそも、20ヶ月未満の牛をBSE検査から外すことの論拠が非科学的すぎる。20ヶ月未満では感染しないことが科学的に立証されたからではなく、立証するのが難しいから検査対象から外そうというのだ。これでは国民が納得するはずがない。数日前のある意識調査でも、はっきり記憶してはいないが70%か80%ほどが「不安だ」、「全頭検査は必要だから、アメリカへの遠慮は不要」と回答している。当のアメリカでもこのところ、全頭検査への関心が高まっているそうだ。どうやら政府にとっては、こうした一連の事実よりも、国民の圧力よりも、アメリカとの摩擦のほうが怖いらしい。安全を貫くためには、利益を尊重する声と時に闘わねばならないこともある。とても勇気のあることだ。しかしそのことの重要さと、それを成し遂げたときの評価の大きさは、普通の人々なら誰しも認めるところだ。この国、あるいはこの国にある企業は、もっと安全でありたいと求める素朴な勇気を持って欲しい。